奇界遺産3 - 佐藤健寿
『奇界遺産』七年ぶりの集大成・奇妙な世界をめぐる、狂気の旅 2010年に刊行され、現在も版を重ねるヒット作『奇界遺産』シリーズ、7年ぶりの続編。 今作では北朝鮮のマスゲーム、アメリカのバーニング・マン、北極の少数民族ネネツ、 日本の軍艦島をはじめ、幅広いジャンルの世界各地の奇妙な文化を収録。 アートディレクション&デザイン:古平正義 解説:横井雄一郎(TBSテレビ) 【本書より抜粋】 私は一般にラスコーの洞窟壁画に象徴される、人間のを作り出す想像力や好奇心こそが、 人類を駆動させてきた力そのものではないかと、ずっと考えている。 その結果生まれたものたちを『奇界遺産』と呼んでいるわけである。 それは洞窟にはじめて壁画を描いたホモ・サピエンスの閃きであり、 イースター島を目指して海を渡った人々の意思であり、 月を見るために宇宙ロケットを考えたツィオルコフスキーの情熱である。 あるいは密林で不可思議な仮面をつける部族の踊りであり、奇妙な彫像が立ち並ぶ庭園の眺めであり、 北極でトナカイと暮らす人々の祈りであり、死者と交信して語らう老婆の言葉である。 その力は人間の生存には不要だが、きっと存続のために必要な何かであった。 本書は、そんな人類最大の無駄、あるいは人類最大の天賦が生み出した奇妙な世界──奇界をふたたび駆け巡った、長い旅の記録である。 【掲載内容の一部】 ・ポップでダークな「桃源郷」(北朝鮮) ・緑に飲み込まれた漁村(中国) ・「廃墟の王」(日本) ・ 「世界の果て」の遊牧民族(ロシア) ・泥に埋もれた村(インドネシア) ・砂漠に出現する「架空の街」(アメリカ) ・劇的人工絶景世界(中国) ・珍建築一帯一路(中国) ・囚人の古代予想図(キューバ) ・「地獄の扉」(エチオピア) ・大富豪の奇想の庭園(メキシコ) ・世界一怖いモーテル(アメリカ) ・国家公認「超能力者」育成学校(ロシア) ・革命的盛り上げ装置(台湾) ・ディストピア装置(キューバ) ・異次元オペラ(北朝鮮) ・人類最古の葬礼(インドネシア) ・エキゾチック来訪神(日本) ・死者を担ぐ奇祭(マダガスカル ) ・奇妙な精霊(パプア・ニューギニア) ・人類保管計画(ベネズエラ) ・幽霊の教会(チェコ ) ・20世紀最大の怪物(イギリス) ・死体農場(アメリカ)他 ■著者 佐藤 健寿(さとう・けんじ) フォトグラファー。世界各地の"奇妙なもの"を対象に、博物学的・美学的視点から撮影・執筆。 写真集『奇界遺産』『奇界遺産2』をはじめ、著書に『世界の廃墟』など多数。近刊は米デジタルグローブ社と共同制作した、日本初の人工衛星写真集『SATELLITE』、 『TRANSIT 佐藤健寿特別編集号~美しき世界の不思議~』、『世界不思議地図 THE WONDER MAPS』など。 テレビ朝日「タモリ倶楽部」やTBS系「クレイジージャーニー」 など出演多数。instagram @x51